神々
イリンで主に信仰されている神々です。
地域や時代、種族によって異なる名や姿、神話で信仰されていることは珍しくないようです。
原初の神/
光の神々/闇の神々/火の神々/水の神々/風の神々/土の神々/
邪の神々はじまりの神話
──かくして、邪悪なる根は封じられた。
ちりぢりにくだけた世界に、神々はおのが役割を知った。
シズリとジョセアラはたがいに腕を伸ばしてその場を囲い、あるいは太陽をなし、あるいは月をなした。
昼と夜が流れゆき、オグ・ダがそこにかきあつめた土でゆりかごを作った。
マドランダの清らかな慈愛が大気に満ち、オヴナリガンの熱に溶ける。
アリィルはわらって息をふきかけ、またたくまにゆりかごは命で溢れた。
我らがイリン・クウェンタの、これがはじまりである。
原初の神
虚ろの神、名も無き王とも呼ばれる最上位の神です。属性は無。シンボルはありません。
秩序と混沌、空と海と大地、時の流れを創ったはじまりの神です。
現在の主神である六大神はこの神が産んだ六つ子だとされています。
遥か太古に弟または妹であった邪神と争い、自らの存在をもって邪神を封じたと言われています。その時にこの神も世界から失われてしまいました。
この神について他の神話は残っておらず、その姿や力もわかっていません。そもそも存在したのかどうかさえ文献によって異なるようです。
原初の強大な力を求めるカルトがわずかに存在すると言われています。
※PCが信仰対象に選ぶことはできません。
光の神シズリ Shizry
聖二十八神の上位に座す六大神の一柱。女神。属性は聖、光。シンボルは白い衣、金の後光、黄金の太陽。
昼、太陽、命、希望を象徴する女神です。空間や怒り、楽しみを司ります。
闇の神ジョセアラと共に古くから信仰されており、各地に遺跡や祭器が残っています。
力の神ヴァトゥ Vatow
聖二十八神。光の神シズリの従神。男神。属性は聖、光。シンボルは握った拳、一筋の陽光、さまざまな武器。
闘争を司り、自らを高めようと修練に励む者や探求者の守護者です。
ヴァトゥの神殿では定期的に鍛錬を目的とした腕比べが行われており、勝者には金品こそ与えられないものの、惜しみない称賛と名誉が与えられるでしょう。
戦いの神リヒシル Lichschill
聖二十八神。光の神シズリの従神。男神。属性は聖、光。シンボルは盾、白い稲妻、上向きの剣。
正義のための戦いを司り、弱者を守り悪に立ち向かう者を加護します。
自らの罪を悔い改め償おうとする者へ慈悲を与える神でもあります。
財の神ダグス Dagus
聖二十八神。光の神シズリの従神。男神。属性は聖、光。シンボルは皮袋(財布)、金貨、金貨が載った天秤。
手にした財は溜め込むのではなく、他者に振る舞うことで世を回すべし、とする神です。
ダグスの神殿では定期的に慈善市が開催され、貧しい者が自立するための支援にあてられています。
工芸の神ティエ Tie
聖二十八神。光の神シズリの従神。女神。属性は聖、光。シンボルは糸と針、壺、鋏などのさまざまな職人道具。
ティエの神殿や祭りは質素ですが、その装飾や衣装には繊細な技がいくつも見受けられるでしょう。
財の神ダグスや芸術の神ヤナピアと縁が深く、場所によっては合同で祭りを開催することもあるようです。
旅の神リタアル Rhittahl
聖二十八神。光の神シズリの従神。両性神。属性は聖、光、風。シンボルはブーツ、空に浮かぶ雲、路傍の石。
神々の伝令であり、旅人や冒険者、流浪の民の道行きを守る神です。
建物としての神殿を持たず、門の外や街の広場などに即席の祭壇を設けて儀式や祭りを行います。
闇の神ジョセアラ Joceala
聖二十八神の上位に座す六大神の一柱。女神。属性は聖、闇。シンボルは黒い衣、銀の後光、白銀の満月。
夜、月、死、安息を象徴する女神です。時間や喜び、悲しみを司ります。
光の神シズリと共に古くから信仰されており、各地に遺跡や祭器が残っています。
星の神トゥピア Tupia
聖二十八神。闇の神ジョセアラの従神。女神。属性は聖、闇。シンボルは暗幕、星座、揺り籠。
予知や夢を司り、ときに素晴らしいひらめきや啓示、霊感を与える女神です。
芸術の神ヤナピアの姉にあたります。
芸術の神ヤナピア Yanapia
聖二十八神。闇の神ジョセアラの従神。両性神。属性は聖、闇。シンボルは絵筆、楽器、笑う道化の仮面。
詩歌や彫刻、絵画、舞踊などさまざまな芸術を愛する神です。神殿や祭りが華やかな反面、俗物的になりがちでもあります。
星の神トゥピアの弟または妹にあたります。
裁きの神ヨラ Jorra
聖二十八神。闇の神ジョセアラの従神。男神。属性は聖、闇。シンボルは石板、黒い稲妻、下向きの短剣。
秩序を乱すものを悪とし、それを裁く神です。神罰の執行者であり、容赦なく罪人に相応の罰を下すとされています。
どこかにヨラの聖印を掲げた暗殺組織がある、という噂がまことしやかに囁かれています。
幸運の神フルクベル Fulkbell
聖二十八神。闇の神ジョセアラの従神。両性神。属性は聖、闇、光。シンボルは賽(サイコロ)、輝く宝石、宝石を散りばめた黄金の杯。
賽を転がしてその命の行く先を試すとされる神で、運命を司るとも言われています。
フルクベルの神殿ではかつて富籤が行われていましたが、当たり籤を巡る事件が頻発したため現在では禁止されています。
知識の神アジーン Adzhin
聖二十八神。闇の神ジョセアラの従神。男神。属性は聖、闇。シンボルは長い木の杖、梟、巻物。
積み上げられた知識を司る神です。アジーンの神殿の中には図書館を併設しているものもあるようです。
天は自ら助くる者を助く、を基本的な教えとしています。
火の神オヴナリガン Ovnallygan
聖二十八神の上位に座す六大神の一柱。男神。属性は聖、火。シンボルは炎、松明、焚火。
人々の住まう場所、日々の営みが行われている場所を守護する神で、夏を司ります。
オヴナリガンの神殿では常に火が焚かれ、人々の日常を脅かすものを退けるとされています。
炉の神ミスロ Mithro
聖二十八神。火の神オヴナリガンの従神。男神。属性は聖、火。シンボルはハンマー、炉の火、インゴット。
数々の素晴らしい武具を鍛える鍛冶神です。
毎年火分けの儀式があり、ミスロの神殿から火をもらった工房では優れた武具が生み出されると言われています。
竈の神アム Am
聖二十八神。火の神オヴナリガンの従神。女神。属性は聖、火。シンボルは台所、竈の種火、鍋。
母親や妊婦、幼い子供を守護する神で、豊かで安全な食卓を司る天の料理番です。
アムの神殿には孤児院が併設されているものもあるようです。
火山の神ヴォルノグ Volnogh
聖二十八神。火の神オヴナリガンの従神。男神。属性は聖、火。シンボルは火山、溶岩、温泉。
荒々しい力を持つ神で、その怒りは神々の中でも特に激しいと言われています。
火山地帯などでは古くから信仰が篤く、その怒りを鎮めるためにかつては生贄を捧げていた地域もあるのだとか。
水の神マドランダ Madranda
聖二十八神の上位に座す六大神の一柱。女神。属性は聖、水。シンボルは雨雲、湧き水、穏やかな波。
清らかな流れ、命育む水を守護する神で、春を司ります。
マドランダの神殿では噴水や水路などで神殿内に水が引かれていることが多いでしょう。
海の神ラグナクア Lagnaquah
聖二十八神。水の神マドランダの従神。男神。属性は聖、水。シンボルは大海、白い鯨、さまざまな海の魚。
豊かな海や航海の守護者です。
女好きだとも言われ、女性はたちまちラグナクアの懐に抱き込まれてしまうので船に乗せてはならない、という古い言い伝えが残る地域もあるようです。
雨の神ウェスレア Wethrair
聖二十八神。水の神マドランダの従神。女神。属性は聖、水。シンボルは川、雫、虹。
大地に降る雨と虹を司り、川と泉を守護します。
雨をもたらす天馬に乗って空を駆け、長い帯が虹になると言われています。
氷雪の神クレメチカ Clemetika
聖二十八神。水の神マドランダの従神。女神。属性は聖、水、土。シンボルは氷柱、雪、雪解けの小川。
元は土の神オグ・ダの従神でしたが、のちに水の神マドランダの従神になったと言われています。
オグ・ダとの縁により冬との繋がりが深く、花の神サニエとともに冬の終わりと春の訪れを祝います。
風の神アリィル Aril
聖二十八神の上位に座す六大神の一柱。女神。属性は聖、風。シンボルは健康な樹、小鳥、農具。
草原と農地を守護する神で、秋を司ります。
風の神族の神殿は比較的簡素で木造のものが多く、アリィルの神殿にはその音で魔を退けるという風で鳴る鈴や鐘が飾られていることがあります。
森の神シルヴァル Syrvar
聖二十八神。風の神アリィルの従神。女神。属性は聖、風、土。シンボルは森の木々、蔦、小動物。
さまざまな命息づく森を守護する神で、優れた狩人だとも伝えられています。
風の神アリィルと土の神オグ・ダの間に生まれた子らの長女だとされています。
酒の神シャルゼス Shaluzes
聖二十八神。風の神アリィルの従神。男神。属性は聖、風、土。シンボルは葡萄、酒樽、酒杯。
祭や宴を愛する神ですが、解毒や治療を得意とする一面も。シャルゼスの神殿ではよく果樹園や農園、養蜂場を設けて造酒が行われているようです。
森の神シルヴァルの弟にあたります。
豊穣の神シャルシス Shalusice
聖二十八神。風の神アリィルの従神。女神。属性は聖、風、土。シンボルは果実、麦の穂、鎌。
豊かな実りを司る神で、秋には各地でシャルシスに感謝を捧げる祭りが行われるでしょう。
森の神シルヴァルの妹にあたります。
土の神オグ・ダ Og.Da
聖二十八神の上位に座す六大神の一柱。男神。属性は聖、土。シンボルは大地、鉱物、山岳。
大地を守護する神で、冬を司ります。
質素な石造りの神殿が多い土の神族の中でも、オグ・ダの神殿は特に大きく頑強なものが多いようです。
砂漠の神ハスバ Hasba
聖二十八神。土の神オグ・ダの従神。男神。属性は聖、土、闇。シンボルは砂時計、砂嵐、忘却。
等しく拒み、他者を寄せ付けない砂漠の神です。
あらゆる命も、建造物も、歴史も、記憶も、全てを時の彼方へと連れていくでしょう。
花の神サニエ Sanie
聖二十八神。土の神オグ・ダの従神。女神。属性は聖、土、水。シンボルはさまざまな花、花束、芽吹く大地。
元は水の神マドランダの従神でしたが、のちに土の神オグ・ダの従神になったと言われています。
マドランダとの縁により春との繋がりが深く、氷雪の神クレメチカとともに冬の終わりと春の訪れを祝います。
牧畜の神エルヤ Elya
聖二十八神。土の神オグ・ダの従神。両性神。属性は聖、土。シンボルはさまざまな家畜、角笛、毛織物。
神々の中でもっとも幼く、家畜を冬の寒さから守り世話をしてくれると言われています。
年の終わりに、その年に善行を積んだ子供達に贈り物をする、という言い伝えが一部の地域に残っているようです。
暗き神
混沌の神、邪悪の根、全き黒などさまざまな呼び名を持つ最上位の邪神です。属性は邪。シンボルはありません。
原初の神の影から生じた弟または妹だとされていますが、その邪な野心のために相容れず、原初の神の強大な力をもってやっと封印することができたと言われています。
現在はこの世界とは異なる狭間に封じられていると伝えられていますが、その場所は定かではありません。
古い神ですが、今なお魔物や悪魔、魔族から信仰されています。
その名や姿、能力などはカルトによって異なるようです。
※PCが信仰対象に選ぶことはできません。
暴虐の神ザインツ Zaints
六邪神。男神。属性は邪、光。シンボルは黒い太陽、血に塗れた剣、切り裂かれた盾。
暴力と抑圧の神で、一方的な力による支配を好み戦争を求めます。
元は光の神シズリの弟で調和を司る神でしたが、虚偽の神トロニと強欲の神フドゥアードに誘われ堕落したとされています。
※PCが信仰対象に選ぶことはできません。
混乱の神ラトゥンペア Rattunpear
六邪神。女神。属性は邪、闇。シンボルは赤い満月、邪悪な祈祷書、怒る道化の仮面。
悪意と混乱の神で、夢に現れ心を惑わし、狂気に陥れるとされています。
ラトゥンペア自身も狂気であり、他の邪の神々の声も届かないのだとか。
※PCが信仰対象に選ぶことはできません。
地獄の神ゴルゲデ Golghede
六邪神。男神。属性は邪、火。シンボルは地獄の炎、悪魔の角、焼けた鎖。
地獄の炎を司る神で、おぞましい武具を生み出す鍛冶神です。
獣じみた姿をしており、その言葉は人には理解できないと言われています。
※PCが信仰対象に選ぶことはできません。
虚偽の神トロニ Tloni
六邪神。女神。属性は邪、水。シンボルはひび割れた鏡、底無しの澄んだ泉、暗黒の波。
嘘と誘惑の神で、水面や鏡に現れ、甘言や幻で心惑わせ堕落させると言われています。
魅力的な美しい女性の姿をしており、自ら進んで贄となる者もいるそうです。
※PCが信仰対象に選ぶことはできません。
強欲の神フドゥアード Whudador
六邪神。両性神。属性は邪、風。シンボルは魔眼が刻まれた金貨、酒池肉林、底が抜けた酒杯。
奢侈と我執の神で、きらびやかな衣装と宝石に身を包んだ獣頭人身の姿で現れることが多いようです。
信者には富を与えますが、その果てには必ず破滅が待っているとされています。
※PCが信仰対象に選ぶことはできません。
恐怖の神ゼスタヤ Xestaya
六邪神。両性神。属性は邪、土。シンボルは崩れた神殿、折れた石柱、黒一色に塗り潰された紋章旗。
名とシンボルをはじめ、わずかな伝承しか残っていない神です。
数百年前に多くの信者が討たれ、各地に残るカルトの跡地は現在魔物の巣窟になっていると言われています。
※PCが信仰対象に選ぶことはできません。