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ギルドや教会(PCが属する組織)

イリンにはいくつかの組織があり、PCは必ず1つ以上の組織に所属している必要があります。

設定に不自然のない範囲で所属する組織を選んでください。ルール上、その数に制限はありません。

新たに所属組織を増やす場合、該当組織のチャットルームがあればそこで入会ロールを行ってください。


ギルド活動(依頼の消化や会合への参加、品物の納品など)を一定期間行わなかった場合は除籍とする──のが正しいのですが、PL事情による休止などは十分あり得るので除籍に関するルールは「設定として用意されている」だけのものとなります。

PL休止中もPCは定期的に活動を行っているものとして処理してください。


組織に所属した場合、その組織のシンボルマークとPC名、活動拠点が刻まれた認識票(ドッグタグ)が支給されます。

これは身分証でもあり、例えば魔術師ギルドの認識票を持つことは魔術師として世間に認められる、ということでもあります。


※PCはあくまでも一介の構成員です。その組織において、ギルドマスターや幹部級などの重要な役職に就くことはできません。


レイナスでの各組織共通の決まりごと

  • 年齢・性別・種族・身分の隔てはないものと認識せよ。
  • 所属に際して、自らの意志による選択であることが最重要となります。

    明確な年齢制限(成人していることが望ましいものの)や種族・性別・身分における制限や扱いの差はありません。

    翻って、年齢や身分がどうあれ、所属したからには「まっとうな構成員」としての自覚と言動が求められるということでもあります。

  • 同構成員間での殺し合いを禁ず。
  • 模擬戦などの手合わせをすることもあるでしょう。けれど、殺し合いは原則禁止されています(一部の組織では裏切り者の「処分」を行うことがあるかもしれません)。

  • 依頼で得た個人情報・秘匿すべき情報を組織外に持ち出してはならない。組織の信用を損なう。
  • 依頼ではときにおおっぴらにされたくない依頼人の情報などが手に入ることがあります。けれど、それを無関係の第三者にみだりに漏らしてはいけません。

  • 組織への背任を禁ず。
  • その組織に属する以上、当然ながら組織を裏切る行為は厳禁とされます。

    もしも裏切りが発覚すれば永久追放や拘束されるかもしれません。

  • 借金は完済せよ。
  • 武具の後払いや死亡時の蘇生代など、一旦組織持ちとなった借金は必ず返済しましょう。



冒険者ギルド/魔術師ギルド/特定職ギルド/狩猟採集ギルド/商工ギルド/教会


冒険者ギルド

冒険者といえばまず思い浮かべるギルドです。

人々から依頼を受け、それを在籍している冒険者に斡旋します。

レイナスでは最も規模の大きいギルドとなります。


依頼の種類は倉庫整理から薬草採集、護衛や魔物の討伐などさまざまです。レイナスの冒険者ギルドは有名なため、遠方から依頼が舞い込むこともあるでしょう。

その影響か、レイナスの冒険者ギルドには多くの地域のおおまかな略地図が揃っています。ギルド員は必要に応じてその略地図を借りることが可能です(購入することはできませんが、写すことはできます)。


ギルド員は併設されている武具屋を利用でき、およそ2割引で必要な武具の購入・修理を行うことができます(購入できる武具は一般的な性能の武具に限られます。マジックアイテムや特殊な素材を用いた武具の修理は行なえません)。

また、その武具屋ではギルド員に限り後払いが可能です。


ギルドには現役を退いた先達が数人常駐しており、冒険に必要な基礎知識や技術を彼らから学ぶこともできるでしょう。

おおむねどこの冒険者ギルドであっても、入会には入会費の銀貨10枚と入会届(氏名・得意分野・死亡時の連絡先などを記す書類)の記入が必要です。


登録の維持には定期的に依頼をこなす必要があります。



魔術師ギルド

多くのマジックユーザーが所属する魔法使いの総本山です。

真理への探求、知識の収集、より強い力の獲得、新たな魔法の開発など、さまざまな系統のマジックユーザーが日夜研究や修行に励んでいます。

魔法関連の膨大な知識が眠る書庫はマジックユーザーにとって宝の山でしょう。


後継の育成や発掘にも熱心で、いくつかの魔術師ギルドでは敷地内に学び舎を作り、身分や種族の隔てなく受け入れています(多少の金は必要となるため、傾向として裕福な家の出やなんらかの仕事で稼ぐ見習いが多いようです)。

学び舎は魔術師ギルドごとに特色が異なります。例えば占星術を重視する「星見の塔」や古代魔法を重視する「蛇の塔」、火属性の魔法に特化した「赤の家」などがあり、見習いはそれぞれ望む分野の学び舎で修練を積んでいます。学び舎の名称・特色は世界観やルールに沿う範囲内で自由に作っていただいて構いません。

学び舎が併設されている魔術師ギルドに在籍するマジックユーザーは、時に教師として指導にあたることもあるかもしれません。


レイナスにある魔術師ギルドの学び舎は、魔を封じ魔を殺すもの、すなわち魔物や魔族、悪魔との戦いに特化した学び舎です。霧竜のお膝元にあることから「竜のねぐら」と呼ばれています。


ギルド内の書庫は在籍者のみ閲覧を許されています。

魔法や精霊、錬金薬、魔法生物などに関連する書籍や巻物が収められていますが、基本的に持ち出し不可となっています。見習いは禁書庫に入ることはできません。

道具類を取り扱う店もあり、そこでは羊皮紙や羽ペン、杖、ローブ、媒介や実験に使うような鉱石や魔物の血などが売られています。在籍者はおよそ2割引で購入することができるでしょう。とはいえ、デザインや質は無難かやや悪いものばかりでしょうが。


魔術師ギルドへの入会には入会費の銀貨30枚と入会届、誓約書(禁術を扱わないこと)への署名が必要です。これは魔法のかかった誓約書であり、自筆でなければなりません。どこにいようと、誓約を破った場合はただちにギルドに知られることになるでしょう。


見習いとしての在籍には1年で銀貨20枚の学費が必要です(成績優秀者は2年目から学費が半分免除されます)。寮もあり、空きさえあれば無料で入れます。魔術師ギルド員としては仮免許のような立ち位置となりますが、併設されている書庫(禁書庫以外)や道具屋は一般のギルド員と同様に利用することができるでしょう。

見習いが正式にギルド員となるためには、一人前と認められたうえであらためて入会手続きが必要となります。


見習いの登録維持のためには一定数の講義への参加と定期的に行われる試験への参加が必要です。

正式なギルド員は定期的に行われる会合への参加が義務付けられています。



特定職ギルド

「特定職ギルド」という名称が正式にあるわけではありません。

他の既存ギルドに該当しない特定のクラスを集めたギルドのことで、実際にはそれぞれ「剣術士ギルド」や「弓術士ギルド」というように呼ばれています。


その土地の歴史や特色などによって、さまざまな特定職ギルドが各地に散らばっています。

レイナスではウーゼル・アラミスが剣術を得手としたことに由来する剣術士ギルドが特に知られており、他にもいくつかの特定職ギルドがあるようです。


剣術士、槍術士、弓術士、拳術士、斧術士などの扱う武器によるギルドや、シーフや忍びなどのクラスによるギルドなどがあります。少し変わったところでは吟遊詩人や旅芸人を集めた寄り合いのようなギルドもあるようです。

基本的にはそれぞれの技能・技術を磨くことに特化しており、見習いも多く在籍しています。

個別の特定職ギルドの詳細は世界観やルールに沿う範囲内で自由に作っていただいて構いません(シーフギルドやアサシンギルドのような組織であっても、基本的には技術・技能の強化に特化した組織となります。ただし裏で実際に何をやっているのか、知っているのはその組織の構成員と顧客だけでしょう)。


見習いや正式ギルド員としての入会にはいくらかの費用を支払うことになります。

レイナスの剣術士ギルドでは、ギルド員の入会には銀貨15枚と入会届の提出が必要です。

見習いとしての登録には1年で銀貨5枚が必要となり、寮もあるようです。


定期的な訓練や試合、会合、仕事への参加など、それぞれのギルドによって登録維持のための決まりが設けられているでしょう。



狩猟採集ギルド

狩猟や採集、農耕、牧畜などを行う者達が集うギルドです。

ハンターギルドやギャザラーギルドなどとも呼ばれ、場所によってはより限定的に「採掘ギルド」や「森林ギルド」などと呼ばれることもあるようです。

レイナスでは町の災害時などに倉庫に貯蔵している食料を人々に分け与える役目も担っています。


希少な動植物や自然環境の保護、定期的な巡回によって拠点周辺に異常がないことを確認するのも活動の内です。

密猟者や害獣・魔物被害に対応するために夜目が利く者や戦闘に長けた者を募集していることもあり、そうしてギルド員となった者は定期的に巡回や討伐に駆り出されることになるでしょう。


動植物の生態や周辺環境について、ギルドの古参はそれなりに詳しいはずです。ギルド員ならその情報を引き出せるかもしれません。

また、獲物の解体や買い取りも行っており、ギルド員なら他より優遇されます。狩りや農耕に必要な道具類も格安で借りることができるでしょう。


入会には入会費の銀貨5枚もしくは同等の価値の毛皮や木材、作物などの納品が必要です。

これは後払いもでき、入会届を出した1年以内に支払うことができれば構わない、とされていることが多いようです。


定期的な獲物や作物の納品、巡回や討伐への参加などによって登録が維持されているようです。



商工ギルド

商人ギルドと手工業者ギルドの2つが合わさったもので、商人部門のギルドマスターと手工業者部門のギルドマスターの2人がいるのが伝統となっています。


商人ギルドとしては流通を助け、非合法な取引を取り締まり、新規店舗の支援や店の運営に必要な人材の派遣などを行っています。異国の通貨の両替なども行います。

手工業者ギルドとしては職人の生活を助け、適切な代価を得るための交渉や後続育成、新たな技術の開発などに力を入れています。


商工ギルドには世間の流行に詳しい者や品物の目利きに秀でた者がいるでしょう。あるいは珍しいアイテムや貴重な品について、なんらかの情報があるかもしれません。

ギルド員であれば、そうした情報を聞き出すことができるでしょう。


いわゆる徒弟制度を採用しており、見習いには店に住み込みで働きながら商売に必要な知識や技術を教え、あるいは職人の技を間近で見ながら修行を積ませています。

それぞれの師によってやり方は千差万別ですが、職人の中には「酒場で○年間依頼を受けること」や「仕事の依頼を受けながら各地を旅してくること」といった試練を与える者もいるようです。


入会には入会届と銀貨40枚が必要です。

見習いは人材としての側面もあるため、お金を払う必要はありません。ただし、一人前と認められるまでには長い時間がかかることが多いようです。


見習いは誠心誠意努めること、そして正式ギルド員には定期的に一定額を納めることが義務付けられています。



教会

主に聖職者が所属する組織です。


イリンでは広く聖二十八神が信仰されています(地域や時代、国によって別の呼び名や姿を持つことは珍しくなく、神話にも多くのバリエーションがあります)。

国教とは別に、町や村などで特定の神格を手厚く祀ることで守護神としてその加護に与る風習もあり、レイナスではウーゼルが信仰していた幸運の神フルクベルを守護神として祀っています。


光の主神シズリを信仰するシズリ教や森の神シルヴァルを信仰するシルヴァル教など、イリンにはそれぞれの信仰を示す宗教組織(教会)があります。

同じ神を信仰していても、国や地域によって別の組織として名を持つこともままあります(例えばシズリを信仰する宗教組織でも、「シズリ教」や「聖光教会」といった複数の組織があるでしょう。信仰の形や神話にも差異があるかもしれません)。

組織の詳細は世界観やルールに沿う範囲内であれば自由に作っていただいて構いません。


イリンでは教会は幼い子供達の学び舎でもあります。

小さな子供は親が働いている間は近くの教会で読み書きを学び、神話について聞かされることが少なくありません。

教会は奉仕活動の一環として子供達を預かり、ごく基本的な知識を与えます。これには年若い見習いがあたることも多いようです。


信心者は必ずしも教会に所属しているわけではありません。誓いの儀式を経て、はじめてその教会の構成員となります。

誓いの儀式とは信仰の誓いを立て、その神格からの祝福を受ける神前儀式です。必ず神父や牧師、神官などの聖職者が立ち会います。その詳細は教会によって異なるようです。

入会費は求められませんが、善行として金銭やいくらかの品を用意する信心者もいるようです。


日々の修行や奉仕活動など、教会によってそれぞれに課す内容は異なるでしょう。