国と地域
大きな大陸が5つあり、他にも大小さまざまな島が点在しています。
地図にはない空に浮かぶ島や不可視の城、妖精郷や異界を目の当たりにすることもあるかもしれません。
また、各地に魔物や魔族、悪魔に支配権を奪われた場所があり、それらは堕ちた地と呼ばれて忌避されています。
※ここに記載する国や地域はあくまでも広い世界のほんの一部です。
PCの出身地として必ず下記のどれかを選ばなければいけない、というものではないことをご留意ください。
世界観やルールに反していない限り、参加者は自由に国や地域について設定することができます。
中央
世界地図の中央に位置する地域です。
中央大陸は大陸の中では小さいものの、強国が多くかつては戦争が絶えない土地でした。
精霊に愛された自然豊かな土地を持つ国です。中央大陸にある国の中でもその歴史は長いほうでしょう。
かつてはエルフとドワーフによる美しい都があったと言われる場所のひとつで、妖精銀(ドワーフだけが採掘・精錬・加工できるとされる魔法耐性が高くしなやかで美しい鉱石。妖精銀製の製品は滅多に見られない)の数少ない算出国でもあります。
今でも古妖精語の地名が残っており、子供に古妖精語の名前をつける風習も一部にあるようです。
エルフやドワーフが多い地域もあり、どこかに追いやられたハーフエルフやハーフドワーフの隠れ里があるとも囁かれています。
- 王都シルミラス
- 霧竜の島ヒス
守護神:光の神シズリ
主な種族:人間
ドワーフの名工が手掛けたという美しい白銀の城があります。
古代魔法や古代文字を専門とした魔術師ギルドの学び舎「蛇の塔」があり、古い魔法の研究が盛んに行われているようです。
伝統や格式を重んじる傾向が強く、冒険者はあまり歓迎されないかもしれません。
銀の国は女性が跡取りとして認められることも多く、現在は女王によって統治されています。
レイナスの守護神:幸運の神フルクベル
主な種族:人間をはじめ多種族
堕ちた島でしたが、当時冒険者であったウーゼル・アラミスによって約80年前に奪還されました。
中央にある霧深い湖には霧竜の一族がおり、島を統治するアラミス家との間に不可侵の契約が結ばれています。
北側には丘があり、当時島を支配していた悪魔がウーゼルの魔封じの剣(霧竜と神の祝福によって強化されたものだと伝えられています)によって今も封じられています。
また、島のどこかに妖精の王や女王が住まう妖精郷や、妖精郷への入り口があると囁かれています。
ヒス島最大の町はレイナスで、領主の館もそこに置かれています。
悪魔に支配されていた頃、各集落は牧場として管理されていたようです。
古くは他大陸から流れてきた人々よって興ったとされる強国で、過去には中央大陸のほとんどを支配していたこともありました。現在も戦争によって得た統治領がいくつか残っています。
先々帝の戦好きが原因で国庫が枯れ、飢饉や疫病、暴動が頻発したため、現在は他国への侵略戦争に対して否定的な穏健派が多いようです。
国土に恵まれず、農業に向いていないため食料自給率は高くありません。比較的魔物が発生しやすい土地でもあり、「何者であれ生き残りたくば武器を取れ」が鉄則となっています。
若くして即位した現皇帝(俗に少年帝と呼ばれています)は統治領から年上の妻を娶り、その仲睦まじさで知られています。
- 帝都ファルケベルク
守護神:戦いの神リヒシル
主な種族:人間
魔物や異国、暴徒の襲撃に耐えられるよう、高く頑丈な塀に囲まれた城塞都市です。
内部は敵を撹乱するため複雑な造りになっており、城に到達するまでにはいくつもの壁を越えなくてはなりません。
鍛冶屋や武具屋等、戦いに関わる店が多いのも特色の1つです。反面、息抜きや娯楽のために立派な劇場も作られています。
男性優位の社会であり、女性が跡継ぎとなることは滅多にないようです。
北方
世界地図の北側に位置する地域です。
一年の多くを氷雪に閉ざされるため、土地の広さに反して人口はあまり多くありません。
北洋に位置する海域で、古くからこの海域で行方不明になる船が相次いだため船の墓場とも呼ばれています。
近年の調査でマーフォークが略奪や暇つぶしのために船を沈めていたことがわかっており、現在も敬遠されがちな海域です。
- 海都アトラシア
守護神:海の神ラグナクアとその娘達
主な種族:マーフォーク
魔の海域最大の都で、現在はシャチの人魚の一族が統治しています。
海底にあるため薄暗く、わずかに発光する貝や海藻によってぼんやりと浮かびあがって見える程度でしょう。
入り組んだ岩場や巨大な珊瑚、海藻の森などに家らしきものを見ることができます。
かつて沈めた船の残骸に囲まれており、マーフォークの子供達にとって格好の遊び場になっているようです。
船の残骸には今も人骨や金銀財宝が転がっているようですが、マーフォーク以外が近づくのは容易ではないでしょう。
大部分を永久凍土に覆われており、人里の大半が比較的暮らしやすい南部に集中しています。
凶暴な魔物が多く、北部の山岳地帯は堕ちた地となって久しいようです。
古くから戦乙女と呼ばれる天使の伝承があり、ヴィンテルヘストの戦士達にとっては死後、戦乙女に選ばれ神の城へ招かれるのは最大の名誉だとか。
原始的な魔法が息づく地でもあり、良くも悪くも魔法と神術の境が曖昧です。本来聖職者が行うような儀式を魔術師が執り行うことも珍しくはありません。かつて戦乙女に選ばれたとされる魔術師の何人かは、神術も行使することができたと伝えられています。
馬の産出国でもあり、ヴィンテルヘストの馬は頑丈で脚が強く、どんな戦場でも怯まないと評判です。
- 王都ヴィートヴィーク
守護神:戦と死の神オーディン
主な種族:人間、ドワーフ、エルフ
海に面しており、無骨な石造りの建物が並んでいます。他国や魔物との戦を何度か経験しており、いまだに修復されていない建物もあるようです。
氷雪吹きすさぶ厳しい環境のため、種族の違いによる諍いはほとんどありません。どこか無愛想ながらも、助け合い分け与えることを厭わない者が多いようです。
守護神のオーディンは暴虐の神ザインツが堕ちた際に溢れ落ちた善性が転じたものだとの説がありますが、さだかではありません。
南方
世界地図の南側に位置する地域です。
多彩な自然環境とともに多種多様な人々が暮らしています。
南方大陸では比較的領土の広い国ですが、そのほとんどが砂漠に覆われています。
イテル川の河畔とわずかなオアシスに人々が暮らしている、古い歴史を持つ国です。川の上流と下流で支配域が分かれており、二王の国や双笏の国とも称されます。
毎年夏の終わりにイテル川が氾濫しますが、その氾濫によって泥が運ばれ豊作となるため、川の氾濫は神々の祝福だとして歓迎されます。
人々は乾燥から肌を守るために油を塗り、日差しから命を守るために布を被って過ごしています。
- 月の都アブ・ネクベト
守護神:月の女神ネクベト
主な種族:人間、獣人
イテル川上流にある上イテルの王都。禿鷲の頭を持つ女神ネクベトに守護されています。
かつて下イテルとの間に争いが起こった際、神々が怒り、イテル川が涸れ王家が途絶えたため、人々は三日三晩生贄を捧げて神々の怒りを鎮めたとされています。
川の東岸には生者の町として日干し煉瓦で作られた家屋や神殿、王宮が建てられ、西岸には死者の町として墓地や霊廟が設けられています。
神々への信仰が篤く、また、古いまじないや風習が息づく町です。親と色が異なる子供や奇形の子供は富や幸運をもたらす「神々からの贈り物」として大切に扱い、成人とともに神々の手元に返すという風習が今も残っているようです。
- 太陽の都アブ・ウアジェト
守護神:太陽の女神ウアジェト
主な種族:人間をはじめ多種族
イテル川下流の湿地帯にある下イテルの王都。コブラの頭を持つ女神ウアジェトに守護されています。
航路を利用した他地域との交流が盛んな交易都市でもあり、町ではさまざまな民族や種族、交易品を見ることができます。混血も進んでいるようです。
砂の国では人身売買は合法で、奴隷商人も珍しくありません。自由はないものの、優れた主は清潔な環境と必要な教育を与えるものとされているため、主に恵まれれば奴隷であっても快適な暮らしを送ることができるようです。奴隷出身の将軍や文官もおり、なかには王族入りした者もいるのだとか。
南洋に浮かぶ比較的大きな島国です。
航路を用いた交易の中継点でもあり、各地からさまざまな品が集まります。
美しい景観と極彩色の街並みは有名ですが、魔物を支配し使役する「従魔術」発祥の地としても知られています。
ランクの低い魔物を家畜化することにも成功しており、毒のある肉を無毒化して食肉加工したり、魔物素材から薬を作ったりといったことも行われています。
悪魔や強い魔物を対象にした従魔術は成功した例がなく、いずれも悲惨な結末に終わっているようです。
- 領都ターラナディー
守護神:多面の神シヴァ
主な種族:人間をはじめ多種族
島主のお膝元、ターラ最大の町です。極彩色の寺院が特徴的で、町中にはいつも香辛料の香りが漂っています。
基本的には親切で陽気な人々が暮らす町ですが、詐欺や盗難が多く治安は良いとはいえません。
従魔術によって使役される低級の魔物や家畜化された魔物を普通に見かけることができますが、年に何回かは暴走した魔物による事故が起こっているようです。
守護神のシヴァは多くの姿を持ち、財の神ダグスや幸運の神フルクベルとの関連が囁かれています。
大小さまざまな島が浮かぶ南洋はその美しい景観でも知られています。
珊瑚礁や海底にはマーフォークの集落もいくつかあり、古くから陸とは比較的良好な関係が築かれているようです。
- 海賊の楽園テストゥード
守護神:海の神ラグナクアなど
主な種族:人間、マーフォークなど
西洋との境に浮かぶ小さな諸島で、西と南を結ぶ主な航路付近にあります。全体が目眩ましの力(古い妖精の魔法だとも、海神の気まぐれだとも言われています)で覆われているため、正確な位置を知る者しか辿り着けないようです。
人魚と恋に落ちた人間が暮らしていたという逸話があり、昔は隠れ島とも呼ばれていました。
現在は入江に停泊している船の大半が海賊船という、「自由」を標榜した無法者の集う島です。
町らしい場所には酒場や娼館、賭場が軒を連ね、毎日どこかで乱闘騒ぎが起こっています。
島に至るまでの経緯や過去、種族・性別・身分なにもかもを問わない一方で、運が悪ければあっというまに鮫の餌になる、そんな場所です。
西方
世界地図の西側に位置する地域です。
西方大陸は大陸の中では最も大きく、西方大陸北部と西方大陸南部に分かれています。
帝国の侵攻や悪魔、魔物などの脅威に対抗するため、複数の都市や集落から作られた同盟です。
とはいえ、それぞれに思惑や立場の違い、抱える問題がありなかなか一枚岩とはいかないようです。
- 遺跡都市アウレーリア
- 鉱山都市カザード
- 穴蔵丘トゥーク・トゥック
- 風渡る草原
- 影の谷ディンガス
守護神:火の神オヴナリガン
主な種族:人間
西方大陸北部、遺跡群に眠る金銀財宝を求めて各地から人が集まり生まれた町です。
探索から戻る人々を迎えるために火を絶やさず焚いていたことからオヴナリガンへの信仰が始まりました。
遺跡の探索はあらかた終わっており、現在は商業が主な産業となっています。
良くも悪くも実力主義で貧富の差が激しく、弱者は容赦なく貧民街へと追いやられる町でもあります。
都市名は遺跡探索が活発だった当時、人々がそこに眠る財宝を女性に見立てて呼んだことに由来しています。
守護神:土の神オグ・ダ
主な種族:ドワーフ
西方大陸北部にある鉱山の町で、町の大部分はドワーフによって掘り進められた山の中、地下にあります。
鉱夫やそれに関わる職の者が多く、鍛冶も盛んに行われています。
ドワーフが作った品はいずれも出来が良く人気ですが、気に入った相手にしか売らないことでも知られています。
職人気質で頑固な住人が多いせいか、喧嘩は日常茶飯事だとか。
妖精銀の鉱脈はほとんど枯れており、良質な素材の確保に頭を悩ませているようです。
守護神:祝福の双子神シャル・シャット
主な種族:グラスフォーク
西方大陸北部の丘陵地帯にあるグラスフォークの集落です。
羊の放牧や農耕が主な産業で、人々は牧歌的な暮らしを送っています。
仲の良い双子の神(一説には西方を訪れた酒の神シャルゼスと豊穣の神シャルシスの姿だとも)が祝福して魔を退けたのがこの地の始まりだという言い伝えが残っているようです。
双子の出生率が高く、双子が生まれた家には幸運が訪れるとされています。
守護神:風の神アリィル、力の神ヴァトゥなど
主な種族:獣人
西方大陸南部にはサバンナや湿地を含む広大な草原があります。
草原の各地にさまざまな獣人の集落があり、ときに共存し、ときに敵対してきました。特に草食系獣人と肉食系獣人の軋轢の歴史は長いようです。
現在は、とりわけ力のある集落の長たちからなる族長会議によっておおまかな意志決定がなされています。
単に西の大草原、と呼ばれることも多い地域です。
守護神:闇の神ジョセアラなど闇の神々
主な種族:ダークエルフ、ハーフブラッド
西方大陸南部にある険しい谷で、天然の洞窟が複雑に入り組んでいます。
もとは迫害され人里を追われたダークエルフ達の隠れ里で、長らくその存在は秘匿されていました。
魔物に追われて谷に逃げ込んだ獣人達を助けたことからその存在が知られるようになり、また、そのときの苛烈な戦いぶりが気に入られて都市同盟入りを果たしたのだと言われています。
今も他地域との交流には消極的ですが、追われる者や弱者には寛容です。「持てる者は与えるべし」と積み重ねた知識を与えてくれるかもしれません。
ただ、偽る者、虐げる者には容赦しないようですが。
東方
世界地図の東側に位置する地域です。
中央大陸とは異なる文化が根付き、さまざまな品が交易品として取引されています。
東方大陸の西側にある国で、聖二十八神信仰発祥の地とされています。
聖獣や天使の目撃例も多く、古くから聖地として人々の信仰を集めてきました。
精霊の加護篤く、肥沃な大地と美しい自然に恵まれています。
神々にまつわる土地や祠などが多く、各地からの巡礼者が絶えません。
魔物の数が少ないと言われていますが、聖騎士団の巡回や討伐で数が抑えられているというのが実情のようです。
- 聖都レウコス・アンセミオン
守護神:聖二十八神
主な種族:人間をはじめ多種族
代々教皇によって統治されている聖地の中心地です。歴代の教皇は神託によって選ばれ、1人の教皇に対して天使が1人遣わされるといいます。
自然と調和した美しい町に、信心深い温和な人々が暮らしています。
町の名でもある聖なる白い花レウコス・アンセミオンの群生地でもあり、その花を使った薬はあらゆる病に効くと評判です。ただ、宮殿に管理されているため入手するのはそう簡単ではないようですが。
複数の島からなる東方列島の国です。
長く国を閉ざしてきた歴史があり、中央大陸では神秘の国として扱われてきました。
現在でも一部の地域を除いて異人の立ち入りが制限されています。
大神アマテラスをはじめとした八百万の神々を祀っており、精霊信仰も根付いているようです。
鬼人の出身地のひとつだとされています。
- 開都ミサキ
守護神:武神タケミナカタ、嵐神スサノオなど
主な種族:人間
フショウの玄関口として、唯一異人に開放された港町です。
異人街があり、基本的に外から来た者はミサキ以外のフショウ国内に移動することはできません。
独特の建造物や衣服、食事、風習など他の大陸の出身者には奇妙でありながら魅力的に見えるようです。
フショウは良質の金・銀・鉄の産出国でもあり、各地から商人が訪れています。