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主な種族

イリンに暮らす主な種族(PCとして選べる種族)です。

どの種族も成人年齢で人間でいう15歳ほどにまで成長します。


人間/エルフ/ダークエルフ/ドワーフ/マーフォーク/

グラスフォーク/獣人/フェアリー/竜人/鬼人/ハーフブラッド


人間

イリンでは最も多い種族です。竜人や鬼人がまだほとんど見られなかった時代の名残で、ビッグフォーク(大きい人達)とも呼ばれます。


歴史上多くの国を興し、土地や覇権を争って戦を繰り返してきた種族です。

他の種族からは「災いの火種」と揶揄されることもありますが、数々の功績を残してきたのも間違いありません。


体格のわりに非力で突出した能力がないと思われがちですが、使える武器や道具は幅広く、さまざまな分野に進出しています。

身長や体格、肌や髪の色は遺伝や環境によって変わりますが、基本的に他の種族同様寒い地域にいくほど色白で背が高く、暖かい地域にいくほど色黒で小柄になるようです。


平均寿命は50歳ほどです。地域差はありますが、おおむね15歳で成人します。

エルフやダークエルフ、ドワーフ、マーフォーク、獣人、鬼人の間に子をもうけることができ、それが結果的に人口増加に繋がっているのだといわれています。




エルフ

古い種族の1つで、まだ人間が少なかった時代にはドワーフとともに大陸の覇権を握っていました。

かつては森の中にそれは美しく壮麗な都を築いていたといわれ、いまもその名残をいくつかの森の奥で見ることができます。


森を住処とし、森とともに生き、森の恵みとして獣の肉や川魚も拒まず口にします。森を傷つけ、穢す者には容赦しない一面を持っています。


人間よりやや低い身長、整った容貌に先の尖った長い耳を持ち、伝統的な暮らしを重んじる者が多いようです。

気位が高く排他的な印象がありますが、博識で優美な森の狩人として一目置かれる存在でもあります。


特定の植物との繋がりが深く、その植物の種類ごとに集落があります。別の植物の加護を受けたエルフ同士で婚姻することもあり、その場合は母親の系統の子が生まれるようです。亡骸はやがてその植物に変化するといわれています。


かつて技術や知識の扱いの相違でドワーフと決別したといわれ、今なおその不仲は語り草です。また、ダークエルフのことは同じ始祖を持つ分、より強く嫌悪する者もいるようです。


平均寿命は300歳ほどで、ある程度いくと外見の成長が止まります。成人年齢は15歳ほどです。




ダークエルフ

遠い昔、さらなる知識や魔術の探求・研究のために森を離れ、悪魔や魔族に与したエルフの末裔です。

のちに身内からも犠牲者が続出したため(あるいは欲しい知識はこれ以上得られないと悟ったため)、ダークエルフは悪魔や魔族とは縁を切ったのだといわれています。


光や外界、肉類は精神の統一や魔力を妨げるものとして忌避し、天然の洞窟や鍾乳洞を住処にしています。質素でストイックな生活を送る者が多いでしょう。

過去の歴史から異端者として迫害されることもあり、それが原因で人の道を踏み外す者もいるようです。


基本的に夜行性の者が多く、昼の活動は苦手かもしれません。

魔法に関する知識や好奇心は飛び抜けて高いでしょう。


エルフらしい長い耳に、青系や黒系の肌の色をしています。身長はやや高めです。


元はエルフと同じ血をもつ種族ですが、考え方や在り方の違いからエルフとの溝はなかなか埋まらないようです。


平均寿命や成人年齢はエルフと変わりませんが、外見の成長が止まるのはエルフよりも遅めでしょう。




ドワーフ

古い種族の1つで、かつてはエルフとともに大陸を支配していました。


自ら洞窟を掘り、地下に築いた住居で暮らしています。その技術は素晴らしく、往時は地下にいくつもの巨大都市があったといわれています。


鍛冶を得意とし、希少な鉱石のいくつかはドワーフにしか扱えません。ドワーフ製の武器といえば冒険者にとっては憧れの品でしょう。他にも建築や酒造、彫金、裁縫などさまざまな技術分野で名を残しています。


石との縁が深いことでも知られ、一族ごとではなく個々人でそれぞれに特定の鉱石や宝石との繋がりを持って生まれてきます。同じ石の加護を持つ者同士は運命の兄弟や前世の片割れなどとも言われるようです。


身長は大人でも130cmほどと低く、どっしり太めの体型で、立派な髭を蓄えています。

伝統的には女性も髭を蓄える種族ですが、他種族との交流が増えた近年ではその伝統は失われつつあります。


頑固な職人気質の印象がありますが、義理人情や信仰心に篤い人々です。

酒好きが多く、特にエールを好みます。ワインはいけ好かないエルフの飲み物だといって敬遠しがちのようです。


平均寿命は200歳ほどで、成人年齢はおよそ15歳です。




マーフォーク

海で生まれ育つ種族です。人魚とも呼ばれます。

昔は人肉を食べる習慣があったようです。当時は成人の通過儀礼として人間を狩る風習があったともいわれています。


魚介類を好んで食べますが、水中では火を使う調理法がないためその食事風景はいささか野性的かもしれません。


人間に似た上半身に特定の海の生物の下半身、手に水かき、脇腹にエラがあります。陸ではエラは閉じて肺呼吸になるようです。

全身を水から出して10分ほど経つと人間の体と同じ形状に変化するため、陸上での姿はほとんど人間と変わりません(逆に全身が水に浸かると30秒ほどで人魚の姿に戻ります。少なくとも全身が浸る程度の量の水に沈む必要があり、雨に濡れた程度では戻らないようです)。


別系統の人魚同士で婚姻した場合、生まれてくる子は両親のどちらかの系統になるでしょう。長い間卵生だと思われていましたが、今は人間と同じく胎生であることがわかっています。


暑さや乾燥に弱いのが難点ですが、水中では他の種族よりも優れているでしょう。過去より現在を重視する傾向にあり、他種族への偏見はあまりないようです。

長い間陸にいると落ち着かないらしく、基本的に海の近くから離れたがりません。


北洋に魔の海域と呼ばれる船の難所がありますが、そこでかつてマーフォークが略奪のために船を次々と沈めていたことが近年の調査でわかっています。


平均寿命は80歳ほどで、大体15歳で成人します。




グラスフォーク

時代や地域によってさまざまな呼び名を持つ小人種です。


多くは草原や丘に背の低い住居を作って生活しています。遊牧民として季節ごとに拠点を移動する者もいるようです。

狩猟や農耕、交易が得意で、すばしっこく手先が器用なのが特徴です。


祭り好きで、食べることやにぎやかに騒ぐことが好きな者が多いようです。伝統的なグラスフォークの食事回数は1日6回だとか。

なにかと理由をつけてはお祭り騒ぎしたがる種族、などともいわれます。そうして、そういった付き合いからさまざまな情報を仕入れてくるしたたかさも持っています。


身長は成人でも1mに届くかどうか。耳がわずかに尖っています。

どっしりした体格のドワーフに憧れる者は少なくないようです。


基本的には牧歌的で臆病ですが、もし故郷を飛び出す者がいるとしたらそれは好奇心旺盛で勇敢な者かもしれません。


平均寿命は40歳ほどです。12歳ほどで成人し独り立ちします。

成人後の外見の成長は遅く、他種族からは死ぬまで子供のように見えるでしょう。




獣人

セリアンスロープとも呼ばれる、獣の特徴と獣化する能力を持つ種族です。


その昔、肉食系獣人は草食系獣人をはじめ人間やグラスフォークなどの他種族を襲って食べていたといわれています。

また、過去に流行した獣化病(獣人のような姿になり正気を失って凶暴化する、人間の間で流行った感染症。患者に噛まれると感染します)の原因とされ、一時は「獣人狩り」が行われていました。

のちに獣化病は人間の魔術師による呪いであることが判明して迫害は収まりましたが、今でも一部の地域で偏見が残っているようです。


基本的に同じ獣の血族で固まって暮らしています。まとめ役は世襲制ではなく、その群れでもっとも戦闘能力や敏捷力、あるいは知略に優れた獣人が担っていることが多いでしょう。

別系統の獣人と血が混ざることはありませんが、犬の獣人と狼の獣人、獅子の獣人と虎の獣人など血が近い獣人同士でまれに混ざることがあるようです。そうやって生まれてきた子は繁殖能力がないことに加え虚弱体質で短命に終わりやすく、ハーフブラッド同様あまり歓迎されません。


獣の血が騒ぐのか、夜、特に満月の晩は好戦的になりやすいようです。


二足歩行の獣のような姿をしているのが特徴で、どの獣の獣人かによってその外見は大きく異なるでしょう。

自分の意志で獣化でき、獣化後のサイズは獣人時のサイズを獣換算したものとなります(平均体型の猫の獣人なら平均体型の猫に変化できます)。


平均寿命や成人年齢は人間とほぼ同じです。




フェアリー

遥か昔は気まぐれにエルフと交流していた、森の悪戯者です。

清らかな森や泉を好み、美しいもの、陽気なもの、優れたものに惹かれる性質を持っています。


澄んだ泉や波の下、キノコの輪の中などにあるという不可視の門の先、妖精達の住まう国である妖精郷で生まれると言われていますが、実際のところは彼ら自身もよくわかっていないようです。気づいたらそこにいた、と彼らは言うでしょう。

妖精郷にもいくつかあるようで、彼らが語る妖精郷の風景はまちまちです。


背に昆虫に似た薄い羽を持っており、その羽で自由に空を飛び、浮遊します(選ぶ特性によっては飛行・浮遊ができません)。強風や雨の中を飛ぶのは苦手なようです。

長く尖った耳に60cmほどの小さな体をしています。体が小さいせいか、基本的には軽い素材の衣服を着ているでしょう。


希少な種族で、そのために古くから「見かけると良いことがある」「捕まえた者は幸せになる」などといわれています。

見世物やコレクション、売買などのためにフェアリーを狙う者達やその行為を俗に「羽狩り」と呼びます。


寿命や老いはなく、生まれて死ぬまで同じ姿で生き続けます。

傷や病が原因で亡くなったとき、その体はいずれ空気に溶けて消えてしまうといわれています。




竜人

ドラゴニュートとも呼ばれる竜の眷属です。

遠い昔、最強種と名高い竜族の中でも特に友好的な竜が人と竜との橋渡しとして生み出したとか、人と恋に落ちた竜が互いの違いを嘆いて生み出したとか、その誕生には諸説ありさだかではありません。


火竜の眷属なら火竜の住む火山地帯に、海竜の眷属なら海竜の住む海の近くにそれぞれ集落を作って暮らしており、同じ竜の眷属である竜人同士でしか子はできません。

そもそも数が少ないうえに人里からはいささか離れた場所で暮らしているため、あまり見かけることのない種族です。


竜の血と力をごくわずかに受け継いでいますが、卵生の竜族とは異なり、子供は人間と同じように母親から生まれてきます。


人間よりもやや高い身長に竜のような眼、竜の尾と小さな翼、額に立派な角が1本生えているのが特徴です。通常は体格に対して翼が小さいため、飛ぶことはできません。

それぞれの竜を主と仰ぎ、自らの血を誇りとして日々鍛錬に励む者が多いようです。


平均寿命は150歳ほどで、15歳前後で成人します。




鬼人

存在が明らかになって間もない頃は魔物のオーガと同一視され、また、人間の国で奴隷として売買されていた時代にはスレイヴと呼ばれていました。

現在は鬼人またはホーンズフォークと呼ぶのが一般的です。

古くは東方群島の一部、荒波や断崖絶壁に囲まれた島など、外部との交流が容易ではない地域で暮らしていた少数種族です。


男女ともに骨太で背が高く、筋肉質でがっしりとした体格をしています。男性なら2.5m、女性でも2.2mほどの背丈になります。

額に2本以上の小さな角が生えているのが特徴の1つです。2本角が多いようですが、過去には反乱を起こし奴隷解放戦争の発端となった9本角の鬼人の記録が残っています。


非常に仲間思いなことで知られ、家族はもとより友と認めた相手には手助けを惜しまないでしょう。


見た目に反して性格は温厚な者が多いようです。

大柄で重いため一般的な馬に乗ることはできませんが、丈夫な体でどこまでも歩いていくことができます。


平均寿命は60歳ほどで、15歳前後で成人します。




ハーフブラッド

異種族間に生まれる子で、両親の種族どちらでもなく、けれど確かにそれぞれの特徴を引き継いでいます。

昔から呪われた子や異端の子、あいの子などと呼ばれ迫害の対象となってきました。

交流が増え、異種族婚が以前ほど珍しくはなくなってきた現在、その偏見は少しずつ薄れてはいるようです。


ハーフブラッドが生まれるのは片親がまず人間であること、そしてもう片親がエルフ、ダークエルフ、ドワーフ、マーフォーク、獣人、鬼人のいずれかであることです。

それ以外でハーフブラッドが生まれたという記録はありません。


ハーフブラッド同士またはハーフブラッドと人間の間にも子は生まれますが、そうして生まれてきたクォーターブラッドはほぼ人間と変わらず、種族としては人間に分類されます。

よく見ると耳がわずかに尖っているとか、八重歯が牙のように見えないこともないとか、そういった小さな違いがあるだけです。


周囲との違いから迫害された者や家族と離別した者など、不運な人生を辿ったハーフブラッドは少なくないでしょう。


おおむね15歳ほどで成人しますが成人までの成長速度は不安定で、例えば3歳までは他の子より成長が早かったのにそれから8歳までは他の子より極端に遅かった、などということがままあるようです。


人間とエルフの間に生まれたハーフエルフの場合、寿命は175歳ほどだといわれています。

少し尖った耳を持ち、身長は人間よりやや低いでしょう。老化は遅めです。


人間とダークエルフの間に生まれたハーフダークの場合、寿命は175歳ほどです。

少し尖った耳に、薄い青系か黒系の肌の色をしています。老化はわずかに遅いようです。


人間とドワーフの間に生まれたハーフドワーフの場合、寿命は125歳ほどです。

低めの身長にやや太い体つきをしているでしょう。ドワーフほど立派な髭は生えないようです。


人間とマーフォークの間に生まれたハーフマールの場合、寿命は65歳ほどです。

肌の一部にマーフォークから受け継いだ鱗や魚の色があります。水中で息はできませんが、普通の人よりは泳ぐのが得意でしょう。

種族の違いや伝統をあまり気にしないマーフォークの性質上、ハーフブラッドの中では最も環境が安定しやすいかもしれません。


人間と獣人の間に生まれたハーフビーストの場合、寿命は50歳ほどでしょう。

人間の体に、耳や牙、尾、目などいくつかの獣の要素を備えています。獣化することはできません。


人間と鬼人の間に生まれたハーフホーンズの場合、寿命は55歳ほどのようです。

鬼人ほどではないですが大柄で背が高く、額には瘤のような突起が2つあるでしょう。